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それを聞いてトリスは少し驚いていたが笑みを浮かべ一つの提案をする。
「僕が君の名前を付けて良いかな?」
彼女は首を傾け考えていた。
名前が無いのは可笑しな事なのだろうか、名前にどんな価値が有るのだろうかと。
「ねぇ、名前って大事な物?」
「うん。大切な物だよ」
「そんな大切な物を私にくれるの? 名前をもらったら私はあなたに何をすれば良い?」
不安げな彼女にトリスは手を差し伸べる。
「何もいらない。でも、君さえ良ければ友達になって欲しいな」
胸の辺りが太陽に照らされた様に暖かくなるのを彼女は感じていた。
そして彼の指を両手で掴む。
「良いよ、君の友達になる」
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