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彼女は初めて退屈というもの感じていた。
昨日、彼と話した時、楽しいと感じたからである。
暇や退屈は楽しみや嬉しい事を知る事で初めて生じるのである。
だからといって、それをまぎらわせる為と、何処かに行こうとしても、人と違い根が生えた彼女には何処にも行く事が出来ない。
何もせず、何も感じない日々を過ごしていた彼女だからこそ、それがとてつもない苦痛に感じるのである。
それは、夜中にトリスが来るまで続いた。
「遅いよ!」
彼の顔を見るなりティナは怒る。
本当に腹を立てたのではなく、待ち遠しくて堪らなかったのである。
「ご、ごめんね。君に見せたい物が有って、それを探してたら遅くなっちゃったんだ」
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