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健斗は蛍の恋に気づいてしまう。
そのときには、まだ蛍の恋の相手が山口翔だと健斗は知らないが……。
後に蛍から告白されて知ったとき、何でアイツなんだ、と健斗は頭を抱える。
山口翔は健斗が中学から高校時代まで通ったサッカークラブの知り合いなのだ。
地元に適当なサッカークラブがなく、電車で三十分ほど離れた地域のクラブに健斗は通う。
練習試合を蛍が見に来たことはあるが、山口翔は家庭の事情で休んでいる。
山口翔の休みは多く、やがてクラブを辞めてしまったほどだ。
詳しい事情は聞かなかったが、家庭内に問題があったのかもしれない。
健斗と山口翔は、馬が合うのか、出会ってすぐに友だちになる。
クラブでは仲良く過ごしたものだ。
山口翔が女性にモテたから、翔が練習に来たときは大勢の女性がクラブに集まる。
が、当時、彼女がいた山口翔に言い寄る強者(つわもの)は少なかったようだ。
あの当時の彼女と山口翔は結婚している。
旧姓は相沢夏海(あいざわ・なつみ)。
今では作家だ。
まだ一般には名を知られていないが、編集者や掲載誌読者の評価は高いらしい。
健斗は山口翔と共通の知り合いから、そんな話を聞き、へえ、と感心したことを思い出す。
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