第3章 神が神であること

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翔達は先を行く空が失礼のないように先を急いだ。 「空!待てって!」 翔が焦りながら空に追いつき、空を止めた。 「なんだよ?」 翔に止められた空は不服な顔をした。 すると、翔は後ろから着いた春樹と共に跪き空も無理矢理跪かせ春樹がゼウスに喋り始めた。 「ゼウス様我ら下っ端共の神に御用があるとお伺い致しました。」 すると、ゼウスは空を見ながら言った。 「これがあの少年か?」 翔はゼウスの言葉を返事をした。 「よくご存知で、さすが全知全能の神、ですが…なぜ空が巻き込まれる対象になったのでしょうか?」 その答えにゼウスは答えることはなく、一言言った。 「いずれ、分かるだろう…私が君たちに頼んだ行動への意味が…」 そう言うと、ゼウスは窓の外を見て黄昏始めると、お付の天使が言い出した。 「ゼウス様の用件は終了だ、職務に戻るがいい」 すると、空は立ち上がり途端にゼウスの方にそそくさと歩いて行き始めた。 「空!」 空の行動を春樹が止めたが間に合わず空に春樹の声は届かなかった。 空はお付の天使を除けてゼウスのいる所に向かい、空はゼウスをこちらを向かせ頬を引っぱたき、胸ぐらを掴みながら言った。 「お前がどんだけ凄いのか知らないけど、用件だけ聞いて、言って終了かよ…ちゃんとお礼ぐらい言えよ!それが常識だろ?」 あまりにも騒ぎ立てながら、ゼウスに怒ったので空がしていた狐の仮面とメガネが外れた。 すると、ゼウスは悲しい表情をしながら小声で空に言った。 「元気なんだな…良かった」 その言葉を聞いた空は何故か見覚えがある気がして胸ぐらから手を外し、ゼウスに背中を向けながら空は言った。 「なんだよ、怒る気無くすだろ…」 そう言いながら、除けたお付の天使達の頭をポンポンとし、小さく 「ごめんな…」 と呟いた。 そして、空は翔達の元に戻ると、ゆっくりとこの部屋から出た。 部屋を出た瞬間に空は翔と春樹にものすごく怒られた。 「てめぇ!何してんだよ!」 「空!ヒヤヒヤして羽がもげるかと思いましたよ…もう見てられませんでしたよ」 そんな2人をよそに空は笑顔で2人に肩を組んだ。 「大丈夫だったからいいじゃん!」 そう言いながら空達は一旦部屋へと戻った。
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