第2章 僕は神になった

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2人は空を落ち着かせて本題へと入った。 「空、今の状況が分からないでしょうからまずあなたの今の状況を説明致しましょう。」 春樹は順序よく空に説明を始めた。 「まず、あなたは何者かに殺されました。その出来事はどうしても避けられない事実であり、神である私達でも変えられない宿命でありました。なので、殺された空自身を天界へ持ち帰り、即死のあなたを神として転生させるよう大天使に命じ、新たな神として神界へと持ち帰りました。」 そう神妙な顔で春樹は空に説明すると、隣から翔が空に聞いてきた。 「お前ホントに分かってんのか?」 すると空は翔にあっけらかんとしながら言った。 「ぜーんぜん!とりあえず僕が人間じゃなくて神様になっちゃったー!ってことだけしか分かんないわ」 そう空が言うと春樹と翔はため息をついた。 そして再び神妙な面持ちで今度は翔が話し始めた。 「だが、事態はそれだけじゃなかった。これは宿命とさっき春樹が言ったけど、これは宿命なんかじゃなかったんだよ。」 そう翔が言うと空が頭を傾げた。 「どういうこと?」 そう空が言うと、翔はまた喋り始めた。 「俺は、なんだか不審に思い人の宿命が本になっている天命館へと向かい、空の天命リストを見るとちゃんと載っていたのだが、なにかを消し去り書き換えたような形で天命リストに書かれていた。それは神様であろうとしてはいけない禁忌だ。そのことを春樹に話し、空の書き換えられた宿命を阻止する為に動き出した。そして、この書き換えられた宿命こそ、神による仕業であることを確信した。何故空が狙われ、空の宿命が書き換えられたのかまでは分からないが、敵のおおよその目星はついたんだ。」
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