紫の娘

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それからしばらくは、変わった事も夢に現れる事も無く普通に過ごしていた。その頃に仕事上その他で知り合った人達と親しくなって行くとそこの幼い女の子に懐かれるようになる。断っておくが幼女趣味ま~ったく無し!それでも何故か行く先々で3歳~小学生くらいの女の子達に大モテだったけど、同世代女子には無視されてばかり。 周りからは、からかわれていた。 「モテモテだな~!将来の結婚相手選び放題だぞ」 あはは…苦笑しか出なかった。 その年の夏、職場で慰安旅行兼ね海辺の町にある施設を借り一泊旅行に出かける事となった。職場の社長の知り合いも参加しバスを借り出かけた。 そこに参加した知人家族の小さな女の子から熱い視線を受けていたが、その時は気付かなかった。目的地の海辺の町には海水浴場もあり土曜日という事もあって人手は多かった。 海水浴客が来ない岩場方面は格好の散歩コースだったので昼食後に散歩に行くと小さな女の子が私も行くとついて来る。潮風に吹かれて歩いてると女の子が手を繋いで来た。 「ねえ、私何年生に見える?」と聞く娘。 「一年生?」と答えると「まあ侮辱!3年生だよ」と言われた。対して変わらんだろ?と思うも口には出さなかった。岩場に座ると色々話しかけられている。そして帰る時も手を繋いでいた。 海辺を散歩するカップルだけど年の差は大きく側から見たらどう見えるんだろう?とか考えていた。それからずっと娘は離れなかった。夜バーベキュー食べビールを飲もうとすると邪魔されずっと話しようと言われた。 肉食べこっそりビール飲んでから夜の海を見に行こうとするとやはりついて来る娘。静かになった砂浜から沖を通る漁船の灯りがやけに紫がかって見えた時に娘がこう言った。 「灯り綺麗!私、紫色大好き」 その言葉を聞いて一気に酔いが覚めた。な な 何?紫大好き?まさか…。 「さあ戻ろう」と言うと、もっとここに居たいと言うが強引に帰った。夜は雑魚寝で広い部屋で皆んなで寝るのだが無理言って一人バスの後部座席で寝た。翌日は朝から皆海水浴に出かけ娘も一緒に行ったので一安心。疲れていた為か帰りのバスでは寝ていてくれ助かったと思った。 そしてこの娘とは、その後会う機会も無くなり疎遠になって行くのだった。 だが終わる事は無かった。別な存在が現れるのだった。
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