紫の娘

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*これは以前に別サイトに投稿した話。 小学生の頃からずっと夢に出て来る少女がいる。おかっぱ頭で紫の服を着ている娘。夢だから起きると忘れてるのだけど幾つか覚えてるのもある大抵は砂場やブランコで遊んでいる夢だった。名をクミ(仮名)と言った。 中学になってもやはり夢に出て来るけど成長しているから同い年みたいだ。それが中2の時…当時文字通り中二病真っ盛りの頃…の夢は今だにはっきり覚えている。 いつも遊びに行く同級生の家の前に彼女は立っているが髪長く紫の着物を着ていてこんな事を言われた。 「私、将来あなたのお嫁さんになるの」 流石に目が覚めたら我ながら俺アホか!と思った。当時中二病でいつか私は宇宙から迎えが来て正義の為闘うんだ!って思ってたから夢とはいえ女の子、しかも可愛い少女の言葉に照れてしまった。 一方現世でそんな男子を好む女子はゼロ!夢に出て来る紫の娘だけにしか好かれなかった。それからも夢の少女から一方的に好意を寄せられるも現実の世界では全くモテなかった。 高校入学してから中二病も止みスポーツ等に励むようなるも全く女子にモテなかった。入学時にある女の子から「郷ひろみににてる」って言われるも後日談無し。 高校も卒業しあるスポーツでオリンピック狙う為に就いた仕事が自衛隊。自衛隊体育学校に行くのが目的だったから。 それからも何度も夢に出て来る紫の娘。やはり成長し綺麗なお姉さんになっているけどやはり服かスカートが紫だった。 念願の自衛隊体育学校に行けたが挫折し体校生にはなれなかった。そんな頃に夢に出た彼女はこんな事を言う。 「もうすぐだよ!もうじき会えるからね」と。 髪型がショートカットで薄桃色のTシャツと薄い紫のスカート姿だったの今も思い出す。 そのしばらく後、休暇で実家に帰った時に近くの小学校前の駄菓子屋の自販機でコーヒー買って飲んでたら同級生女子とばったり会い色々昔話をしていた。同級生女子は既に結婚していた。 その女子から彼女出来た?と聞かれたから、出来ないと言うとゲラゲラ笑われ「あんたモテなかったもんね~」とバカにされたから思わず夢の少女の事を話すと同級生女子から笑顔が消えた。 そして夢の少女の名前がクミだと言うと驚愕の表情に変わる。 そして驚きの事実を知る事となるのだった。
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