紫の娘

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その時初めて我々には幻の同級生がいた事を知る。クミという名で同級生女子の親戚だそうだ。クミは幼い頃から病弱で小児癌に侵され離れた街の大きな病院に入院していて小学校入学を楽しみにしていたが、入学前に短い人生を終えた事を初めて聞いた。 そのクミが好きな色が紫で服やスカート等に紫色が多かったそうだ。その後落胆した家族は別な町に引越し空家となっていたのだが、そこはアホ男子達の格好の遊び場で良く遊んでいたの思い出した。ここで男子達が遊んでいるのを見た近所の人達が注意しようか?と思ったけど短い命を終えたクミも一緒に遊んでいるような感じがし可哀想にと思い黙っていたそうな。 「その時、魅入られたんだね」と同級女子。 そしてこの事を任せて欲しいと言われた。これは呪いの類いじゃないから安心してとも言われた。そこで更に思い出したのが同級女子の家が拝み屋みたいな事をやっていた事だった。同級女子は2週間くらい過ぎたら連絡欲しいと言われたからので丁度2週間後に電話をした。するとこう言われた。 もう大丈夫だと思う。これでクミは安らかな眠りに入ってると思うけど…。 最後はぐらかされた感じだったが、大丈夫呪いじゃないからと念を押されたから一応安心した。そして万が一何かあったら連絡してとも言われ安心して良いのか分からなかったけど、それ以降クミが夢に出る事は無くなった。 良かった良かった!と思うも変な話、寂しさもちょっとだけあったのも事実。考えてみりゃ仲良しの幼馴染みって感じだったのかも知れない。 これが間違いの元だった事に気付いたのはずっと後の事となるのにまだ気付く事は無かった。そしてもう一つ障害があった事もずっと後に分かるのだった。 その後、自衛隊も退職し一般的な仕事をして10数年経過後にクミの想いが形を変え現れるようになろうとは全く想像だに出来なかった。
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