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先生は大学で、主に植物の研究をしている。
背が高く、痩せたからだに白衣を羽織りスタスタと歩く。頭はボサボサ、眼鏡の奥の目は笑うとなくなってしまい、気弱な笑顔がこのうえなくやさしい。
注目が苦手らしく、本当は講義なんかよりも僕らと話をする方がずっと好きみたいだった。
なかでも僕をえらく気に入ってくれて、僕のぱっとしない中途半端さが自分に似ているから、とかなんとか…もしかしてちょっと失礼じゃない?
研究室には頻繁に学生が訪れ、すぐに先生が学内で人気のあることを知ることができた。
今日も今日とて、女子学生が押し寄せる。先生は案外女の子たちにもてる。少し違う意味で、かもしれないけれど。
彼女らは先生の少年のような童顔が「かわいい」とそろってからかい、四十を過ぎた男をつかまえて、と先生は顔をしかめて嘆く。
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