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「さっき?」
「俺にしか出来ないって言った後、まだ何か言いかけたでしょう?」
「ああ……」
次郎は三郎に流し目を送りながらフッと笑った。
「過去の記述には、剣は斧に次いで強い球を放ったとあります。沼の底から龍を引き上げるのは一郎様と私の仕事、それを倒すのは四郎とあなたの仕事です」
そして城に戻ると、次郎は黙って自分の部屋に下がってしまった。
「ねえ五郎、訓練場開けてよ」
「それは許可がないと――うん? 三郎それどうした?」
五郎は三郎の腕に炎症を見付けた。
「ああ……さっき沼の水がはねた」
「なんだって?」
五郎はすぐに三郎を担いで中庭の井戸に向かった。
「ちょっ、五郎!」
「すぐに洗い流さないと肌が溶けるぞ」
井戸に着くと、五郎は容赦なく三郎の腕に水をかけ続けた。
「冷たい!」
「我慢しろ。それよりおまえ、痛くなかったのか?」
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