第6章 もっと強く

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一郎の手は更に頬から項に移動し、そこに赤い牡丹の花を咲かせると、四郎の着物の襟を開いた。 「えっ一郎さん――」 「嫌か?」 「いや……やないですけど……ここで?」 「城じゃお互い落ち着かないだろう」 「ああ……そうですね」 四郎が次郎の顔と五郎の顔を思い浮かべて納得している間に、一郎は四郎を裸にして脱がせた着物の上に寝かせた。 寝てみると地面は意外と暖かく、適度に柔らかかった。 そして服を脱いで覆い被さってきた一郎の体は、もっと温かく心地よかった。 筋肉の筋がはっきり見える一郎の体は五郎と同じように硬いだろうと想像していたが、触れてみたら全然違った。 「一郎さん、肌柔らかいんですね」 「おまえこそ――あっ」 背中を撫でられて仰け反った一郎の耳に四郎は囁いた。 「ここですか。一郎さんの印……」 反応を見ながら手を滑らせる。 感じて身をよじる一郎の姿に興奮した四郎は、片手を尻に伸した。 「一郎さんのここって――痛っ!」
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