第7章 失った輝き

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とその時、庭で物音がした。 「ご免下さい」 一声掛けて縁側から入って来た人物の顔を見た三郎は、泣きそうな声で叫んだ。 「五郎!」 三郎は五郎に駆け寄り、背後に隠れた。突然入ってきた大男に、源三は眉を顰めた。 「玄関はあっちだ」 「失礼しました。三郎の声が聞こえたものですから。丹治五郎と申します。一郎の使いで参りました」 五郎は笑顔でそう言うと、手にした大きな荷物を差し出した。 「どうぞこちらをお納め下さい」 剣の打ち直しの報酬として差し出された品を、源三は眉を顰めたまま受け取った。 「10日って言った筈だが。なんで今日だってわかった?」 「私は存じませんが、一郎にはわかるようです。見事に打ち直して頂いて大変感謝していると申しておりました」 源三はフンと笑って五郎の陰に隠れている三郎を見た。 「そりゃどうも。また何かあったらいつでも直してやるよ。待ってるぜ、三郎」 「ありがとうございます。お世話になりました。失礼いたします」 五郎は強引に三郎に頭を下げさせると、三郎を連れて源三の家を出た。少し家から離れると、五郎はぴったり後についてくる三郎を振り返った。
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