第8章 初めての喜び

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第8章 初めての喜び

一振りも出来なかった剣を抱えて部屋に戻った三郎は、情けなくて泣き出しそうになるのにじっと堪えていた。ここに来てから失敗ばかり。光の手がかりも何もない。4人に任せて、本当にもう自分は帰った方がいいのではないかと思えてきた。すると、誰かが戸を叩いた。 「三郎」 声を聞いて急いで戸を開けると、久しぶりに見る美しい人が立っていた。 「剣は復活したそうですね。よく頑張りました」 そっと戸を閉めて部屋の奥に入ると、次郎は三郎の頬に触れながら尋ねた。 「鍛冶屋に淫らなことをされたのですか?」 三郎が小さく頷いて次郎に抱きつくと、抱き留めて髪を撫でながら次郎は言った。 「私が汚らわしい男の跡を拭い去って差し上げましょうか?」 よく意味がわからず顔を上げた三郎は、次郎に唇をふさがれた。初めて経験する濃厚なキスに腰が砕けた三郎を寝かせると、次郎は愛撫しながら少しずつ三郎の着物を脱がせていった。全て脱がされた時には、三郎の全身に菊の花が咲き乱れていた。白から紅まで色取り取りの乱菊と小菊だ。 「見てご覧なさい。見事な花です」 源三も花がどうのと言っていたなと思いながら、恥ずかしさに閉じていた目を開いた三郎は、自分の体を見て驚いた。 「何これ!?」 一瞬薄くなった花を消さないように愛撫を続けながら、次郎は答えた。
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