第8章 初めての喜び

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「感じている証拠です。私達の肌にはそれぞれ決まった花が咲くのです」 「じゃあ……次郎にも?」 「ええ。見ますか?」 次郎は袴の紐を解いて腰から落とし三郎を見詰めながら更に褌も脱ぐと、大きく脚を開いて見せた。三郎はそこに咲いた一輪の白百合と龍の印に感嘆した。 「次郎の印ってここにあったのか。綺麗な百合……でも一輪だけ?」 「もっと咲くこともあります。でも全身には咲きません。あなたの体は特別なようです」 そう言う間も愛撫を続け更に色濃く花を咲かせると、次郎は三郎に四つん這いになるよう指示した。 「怖がらないで、力を抜いて」 女になってしまっているという場所を、次郎は源三よりずっと優しく丁寧に愛撫してくれた。慣れない快楽に、三郎は身をよじった。 「あん……あっ……あ……」 「気持ちいいでしょう?」 口が黙っていても体が勝手に答えてしまう。 濡れて求めるその場所に、次郎は自身を押しつけた。焦らすように何度か擦りつけると、次郎はゆっくりと三郎の中に入った。 三郎にとって初めての体験。そして次郎も女性の中に入るのは初めてだった。 しかし初めての感覚に戸惑ったのは一瞬で、2人はすぐにその快感に夢中になった。 「あっ……あ、次郎……」 「そんなに動かないで……あっ……ダメです……もう――!」 昇り詰めた次郎が放った熱いものを受けた三郎は、腹が温かく満たされるように感じた。 まるで食事の後のようだ。
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