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「――やはりそうなるか」
「えっ、どういう意味ですか?」
四郎はそう尋ねたが、三郎は既にその答えを察して訓練場から走り出た。そのまま走り続け目的の部屋に着くと、いきなり戸を開けて叫んだ。
「次郎、大丈夫!?」
思った通り、次郎は部屋にいた。でも五郎も一緒だ。それは当然と言えば当然のことだが、2人を見た三郎は固まった。次郎は閉じていた目を開けて三郎を見たが答える気力はなく、五郎にすっかり身を任せたまま黙っていた。
「ああ、三郎。次郎は大丈夫だ。もうすぐ傷もふさがるだろうし、一日休めば元気になる」
「そう……お大事に」
三郎はそれだけ言うと戸を閉めて自分の部屋に戻った。
「次郎ちゃん見てきたんか? さっきのに襲われて怪我したんやて?」
「うん。でも大丈夫だって」
調度戻って来た四郎に聞かれた三郎が不機嫌に答えて部屋に入ると四郎もついて来た。
「何だよ、入って来るなよ」
「ええやん、どうせすることないやろ? それとも――」
四郎は戦士の証が刻まれた場所を狙って三郎の腕をそっと掴んだ。
「独りエッチしたいんか?」
三郎はサッと頬を染めて四郎を振り払おうとしたが、逆にもう一方の腕も掴まれた。
「何すんだ、放せ!」
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