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「あー、なんかおまえとするの疲れるな」
「それはこっちの台詞やわ。てか抱いた直後の女に言う台詞か」
「――ごめん」
「それもちゃうなあ。あー傷つくわ」
四郎に悲しげな顔でため息をつかれた三郎は慌てた。
「えっ……あのさっきのは……ほんとはスゲー気持ち良かったよ。四郎はその……黙ってれば綺麗だし、笑うとスゲー可愛い……し……」
その四郎が悲しげな表情をやめて可愛いだけではなくニヤついた笑顔になっていることに気付いて三郎は口を閉じた。
「ホンマは俺のこと好きなんや」
「そんなわけないだろ、誰がおまえなんか――」
真っ赤な顔で否定する三郎を制するように、四郎は言った。
「俺は好きやで。三郎も、一郎さんも、次郎ちゃんも、五郎ちゃんも、みーんな好きや」
一瞬動揺した三郎は、安心して答えた。
「なんだ仲間としてって意味?」
「うーん、どうやろ。仲間とは普通こんなことせえへんからな」
まだ裸の三郎の体を撫でながら、四郎は続けた。
「あんまり深く考えない方がええで。そんで出来るだけ皆を好きになることや。1人に絞ったらアカン。次郎ちゃんにもそう言われたやろ」
胸に触れた指と、その奥に刺さった言葉に、三郎はビクンと震えて答えた。
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