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「何を?」
「遠い昔の俺達のご先祖様が何をしてきたかや」
それには三郎も興味がないわけではない。けれど面倒な気がした。
「古い記録読めってこと?」
「どうせ暇やし、たまにはお勉強もええやろ。こっちや」
四郎は三郎を連れて書庫に向かった。壁一面の書棚を本と巻物がびっしり埋め尽くしているその部屋に、三郎は初めて足を踏み入れた。
「こんなにあるの?」
「試しにどれか好きなの開いてみ」
そう言われても何処から手をつけていいのかわからない。三郎は、横に年代順、縦に種類別に整然と並んだ書物を見渡してため息をついた。そしてとりあえず一番古い書物を開いてみようと端の棚まで行ってみると、一番端の棚だけ年代が書かれていないことに気付いた。
「なんでここだけ年代が書いてないの?」
「さあ、なんでやろ。ようわからん物をまとめて置いてあるんちゃう?」
「そんなわけないだろ。次郎の先祖が管理してきたのに」
「そりゃそうや。開いてみたらええやん」
三郎は棚の一番上に置かれた一際豪華な装丁の巻物を手に取り、閲覧台に運んだ。
「ええか、丁寧に開くんやで」
「わかってるよ」
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