第2章 茶髪のイケメンと優しい巨漢

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「ああそうや、自己紹介やったな。おまえの武器、それ両刃やな?」 「え? ああ……」 「じゃあおまえは剣の戦士か。良かったわあ、刀の一郎さんがおまえやったらこの先思いやられるからな」 男は嫌味を言ったのだが、何も知らない三郎は問いかけた。 「刀の一郎さん?」 「ああそうか、おまえ知らんのやな。聞いとるで。剣崎の家の跡取りは決まった許婚やない女と駆け落ちしたって。なんも教育受けてないのか?」 「教育?」 「俺等の宿命の話や」 「なんだ、話か」 「なんや、その態度」 戦士の歴史や掟なんて興味ない。しかし、無音の闇よりはマシだ。 三郎が謝ろうかと迷っていると、先に無音に飽きたらしい男の方が問いかけてきた。 「おまえ、いくつや?」 「18。あんたは?」 「いくつに見える?」 三郎は、今は見えない男の姿を思い出して答えた。
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