第2章 茶髪のイケメンと優しい巨漢

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「25ぐらい?」 「25!?」 男は驚いた声を上げた。どうやら大きく外したらしいとわかったが、本当の年はずっと下なのか、それとも上なのか見当がつかず三郎が黙っていると、男は呆れた声で言った。 「自分、7つも年上や思うててタメ口か。ええ根性やな」 年上なだけで敬えるかと答えたい所だが、男は龍を倒した。けれどまだ男を認めたくはない三郎がまた黙ってしまうと、男は答えた。 「2や。22。俺3つも老けて見えるか? ショックやなあ。まだ10代でいける思うてたのに」 落胆してため息をついた後、男は呟いた。 「一郎さんて、いくつやろ。年下やったら嫌やなあ」 「その一郎さんって誰……ですか?」 三郎が取って付けたような敬語で尋ねると、男はまた軽くため息をついて答えた。 「ええよ、タメ口で。敬語使われると余計老け込むわ。ああ、それを説明するんやったな。一郎さんはリーダーや。大刀一郎(だいとういちろう)さん。大刀家の長男は一郎と決まっとる。紛らわしいから賢一郎とか幸一郎とか一文字つけるのは構わんけどな。すぐ覚えられるし、リーダーってわかりやすいやろ。サブリーダーは次郎さん」 三郎は、どうして長男の自分の名前が三郎なのか初めて知った。父の名は信三郎で、そこから取ったと聞いていたが、父は剣崎家の決まりを守って名付けたようだ。 「じゃあ俺、三郎だから三番?」 「アホ、三郎と四郎は一緒や」 「ああ、あんた四郎か。サブリーダーってもっとクールなイメージだもんな」
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