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横を向いた一郎の項と桜色に染まった耳を見た五郎は、枕で顔を隠そうとする一郎の顎を掴むと強引に口付けた。その瞬間に、近親相姦のような気まずさは、禁忌を犯す興奮に変わった。互いに唇を吸い舌を絡め五郎の唾液が一郎の口に流れ込むにつれ、一郎の体は痛みより快楽に支配されて行く。そしてついに使わずにいた女に触れられると、一郎は桜が咲き誇る背を反らせて震えた。
「ああ――!」
「ここを使うのは、初めてか?」
「当たり前のことを聞くな、とっとと――んあっ!」
処女なのにもう喜びを知っているかのようにぐっしょりと濡れて待っていた場所に、五郎は極大になった雄を突き入れた。次郎の治療にも五郎は手と唇しか使わなかったので、こんなに気持ちのいい荒療治は初めてで、本来の目的を忘れてしまいそうになる。まだ残る傷跡を見て理性を保ちながら、五郎は尋ねた。
「この体勢で平気か? 背中が痛くはないか?」
「構わないから……ん、もっと動け」
「気持ちいいのか?」
「だから聞くなと――あっあ……ダメだ、背中は――」
五郎は一郎が背を反らした隙に手を入れて敏感な場所をなで始めた。
「触った方が治りが早い。それにここが気持ちいいはずだ。違うか?」
一郎は目を潤ませて一瞬五郎を睨んだ後、五郎の頭を掴んで引き寄せ意地悪を言わせないように唇を塞ぎ自ら腰を振り始めた。
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