第10章 龍を喰らう者

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すると白龍が答えた。 「ああ、言ってなかったっけ。この小さい子ともう1人可愛い子いるでしょ。この2人は白い狼が可愛いから殺すのが辛いらしいよ」 「そうなのですか? もう1人の方は躊躇わずに斬っているように見えましたが」 「仲間がやられそうなのに、そんなこと言ってられないでしょ」 「逆に言うと、こっちの彼は仲間がやられそうでも斬るのを躊躇っていたということですね」 青龍は興味深く三郎を見詰めた後、一同に問い掛けた。 「どうですか、皆さん。何か思いつきましたか?」 しかし誰も答えない。すると白龍が提案した。 「今日はもう解散しない? この映像、コピーして送るから各自で研究してよ。次の作戦を開始するまで、奴等はなんとか足止めしておくからさ」 「ああ、そうしようぜ。いいだろ、青龍?」 「そうですね。他の皆様も、それでよろしいですか?」 「よろしくはないが、仕方ねえな」 一同が賛成し、何も決まらぬまま会議は終わった。
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