第10章 龍を喰らう者

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龍人達は特殊な紋を描くことにより空間を開き自由に人を移動させることが出来るが、それは戦士の転送紋より複雑で、異動先を攻撃する意志を検知すると転送せずにはじき出す機能を備えていている。そんなことは桔梗も知っているはずだと怪訝そうな顔をした青龍に、桔梗は言った。 「でも何にでも襲いかかるわけじゃないでしょう? 戦う意志がない時なら、転送紋を通過させることは可能です」 桔梗は細く長い指を伸し、目の前に浮かぶ四郎の映像を撫でてみせた。 「ほら、この子今、こっちの子に向かって微笑みましたよ。それに見て、武器を振り下ろす時にちょっと悲しそうな顔をするの。この子はちょっと優しそう」 「本当だな……」 最初に映像を見た時には表情がわかるほどズームしていなかったので気づかなかった。一郎と助け合って戦う四郎をじっと見ていた青龍は、戦士が白い狼を殺すのを躊躇っていたことを思い出し、ようやく桔梗の意図を理解した。 「ああ、そういうことか。桔梗、君は本当に素晴らしい」 「お役に立てたなら……ご褒美を下さいますか?」 「ああ、いくらでもあげるよ。何がいい?」 「フフ……わかってらっしゃるくせに」 桔梗は青龍の膝に乗ったまま体をひねり、青龍の頬を両手で包んで口付けた。 青龍はそれに答えて桔梗の唇を味わいながら、薄く柔らかな生地で出来た豪華な着物を桔梗の肩から落とした。 「ああっ……」 唇から項、肩、胸へと青龍の青い唇が下りていく度、桔梗はうっとりとした笑みを浮かべて甘い声を漏らした。そして青い舌がピンと上向いた小さな桜色の突起を舐め上げると、白い脇腹に青い花が咲き始めた。戦士の体と同じだ。清楚で美しい桔梗の花は、桔梗が淫らに興奮している証。桔梗は悩ましく腰をくねらせ熱く湿った場所を青龍の太股に擦りつけながら、青龍の股間に手を伸ばして懇願した。
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