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三郎が入って来た。そうなってしまうともう抵抗出来ない。女にされることに対して精神的にはまだ違和感があるが、体はすっかり抱かれることに慣れてしまい、むしろ喜んで受け入れている。四郎は、満足そうな顔で自分を見下ろす年下の男の顔を見なくてすむように目を閉じたが、三郎はそれを別の意味に取った。
「キスして欲しい?」
「アホか、ちゃうわ」
「この前はキスしてくれって言ったじゃん」
「そんなん、からかっただけ――」
否定する前に唇をふさがれ、舌を絡め取られた。練習する機会があったとは思えないが、前回より上手くなっている。それは、もっと深く繋がっている場所の感度を上げた。
「ほら今ギュッて締まった。やっぱりキス好きなんだ」
「アホ」
見下されても一言返すのが精一杯の四郎を、三郎はたっぷり弄んだ。体の大きさも力も四郎の方が上回っている筈なのに、優しい四郎は無理矢理体を反転するような真似は出来ず、結局諦めて組み敷かれ続けるしかなかった。
「ありがと。スッキリした」
散々好き勝手にした後、三郎はあっさり部屋を出て行った。
「ホンマに勝手な男やな……」
独り残された四郎は、ため息をついてハッとした。
「あかん、俺、心まで女になってきとる」
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