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戦士同士で愛し合うと聞いた時、元の世界では普通に男として女の子にモテていた四郎は、一番可愛らしく女性的な戦士を自分が抱くことを想像していた。しかし実際には自分より女性的な次郎や年下の三郎がいるのにいつも抱かれる側だ。
「俺も人が良すぎる言うか、流されすぎやろか」
しかし拒んで相手と気まずくなりたくはないし、どうしても嫌というわけでもない。それにエッチするかしないかの二択だったらした方がいいし、強引に攻めるよりしぶしぶ受け止める方が性に合っている。
「まあええか」
こうしていつも楽天的に受け流してしまうのがよくないのかもしれないとチラリと思ったが、深く考えても気が滅入るだけだ。考えるのを止めて目を閉じると、四郎はすぐ眠りに落ちた。
そして翌日、戦士達はまた白い森へ行ったが、相変わらず龍は見つからなかった。
「もうここにはいないんじゃない?」
「いいえ。気配はあります」
「一体何処に隠れておるんやろ」
もう森の端から端まで歩いた。空を飛ぶ龍を探して上を向いていたせいで首が痛い。首に手をあてぐるりと回した四郎は、ふと足元を見た。
「あれ?」
「どうした、四郎?」
「なんやここ、土が軟らかい」
それを聞いた五郎は、四郎が立っている辺りの地を踏みつけてみた。
「本当だな。掘り返した跡みたいだ」
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