第1章 火照る体

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三郎と光は幼馴染だ。共に18歳、高校3年生。 小学校から高校までずっと同じ学校に通ってきた、友達というより家族のような存在だ。 恥ずかしいことも、悔しいことも、沢山共有してきた。 今更隠すことなど何もないはずだ。なのに光は、険しい表情で叫んだ。 「帰って。ここは君が来る場所じゃない」 「帰るよ。おまえが何してるのか見せてくれたら」 光は唇を噛んで、困ったような悲しいような顔をした。 黙っている光に向かって、三郎は続けた。 「おまえ、最近また痩せただろ。ここでしてることと、関係あるんじゃないか?」 言い当てられた光は、ため息をつきながら背後の巨岩を振り返った。 丸裸の地の中央に聳え立つ、高さ2メートル、直径は1メートル以上ありそうな黒い岩だ。 とても硬そうに見えるが、中央には薄らと亀裂が入っている。 (もう少しだったのに……) しかし三郎に知られるわけにいかない。光は諦めて山を降りることにした。 「光!」 三郎は、呼んでも無視して通り過ぎて行こうとする光の肩を掴んだ。 「そんなに俺に見られるのが嫌って一体――」 「触らないで!」 三郎の手を振り払おうとした光は、足を滑らせて転びかけ、逞しい腕に抱き留められた。 「危ないな、おまえ本当にどうかして――あれ?」 腕の中の光の体が熱い。顔を覗き込むと頬が真っ赤だった。
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