第11章 甘い罠

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そうだったらいいと期待したが、そこはやはりピンク色のベッドの上だった。 「ホンマにここ龍人の世界なんやろか」 「ここは青い国だよ」 独り言に返事をされてびっくりして横を向いた四郎は更に驚いて叫んだ。 「うわっ、青い!」 ベッドの脇の椅子に、緑ではなく青い龍人が腰掛けていた。青いと言っても肌はわずかに青みがかっているだけで白に近い。髪と目の色は深い青だが、唇はパールのように輝く淡い水色だ。緑色の雄と比べると遙かに美しく気品がある。 「そりゃ青いさ。ここは青い国。私はその長である青龍の弟だ」 「はあ、でもさっきまで緑の人やったでしょ? てか……あなたのお兄さんは人間やなくて龍なんですか?」 四郎は何がなんだかさっぱりわからなかったし、青龍の弟も四郎が何を疑問に思っているのかわからなかった。 「うーん、翻訳機だけじゃ会話が難しいようだね。見た目はほとんど貴人と変わらないのになあ」 緑色の雄にも同じようなことを言われた。四郎は、貴人というのが龍人の中性のことらしいということだけは理解した。後はわからないことだらけだし聞きたいことは他にも沢山あるが、四郎はとりあえず一番肝心な質問をぶつけてみた。 「あの……俺ってこれからどうなるんですか?」 「龍王様に献上されるみたいだよ」 「龍王……様に? それってどういう……」 「さあ。私にもよくわからない。兄もただ連れて来いと言われているだけみたいだ」
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