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第14章 逆鱗に触れる
一方、四郎は無事別の青い洞窟に転送されていた。
しかし、ここが本当に世界の狭間の洞窟かどうかはわからない。とりあえず出口に向かってみようと歩き始めると、すぐに光の矢が飛んできた。
「ヒッ」
1本目はなんとか避けたが、2本目はしっかりと袖を射貫き、四郎の体を洞窟の壁に張り付けた。次郎の矢だ。どうやら無事帰れたらしいとホッとした四郎に、今度は三郎が剣を突きつけてきた。
「四郎を返せ」
「落ち着け、三郎、俺や俺」
「は?」
「いやだから、四郎やて」
三郎は驚いた顔で固まってしまった。そこへ次郎と五郎もやって来て、三郎同様驚いた顔をした。
「そんなに驚かんでもええやん。この格好はその……色々あってやな」
「本当に……四郎なのか?」
「ああ、ほんまやホラ」
四郎は項の印を見せたが、それを見た3人は更に驚いた顔をした。
「えっ……何、どないした?」
四郎の質問には答えず、次郎が尋ねた。
「一郎様には会いませんでしたか?」
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