227人が本棚に入れています
本棚に追加
「それが……連れて帰って貰う途中で龍に会うて――」
「なんですって?」
「俺を逃がすまで一郎さん逃げない感じやったんでお先に……あ、でもすぐ一郎さんも――」
四郎は言い訳しながら自分が出て来た場所に次郎達を連れて行き、皆で一郎を待った。しかし、いつまで経っても一郎は現れなかった。
「一郎様は、何か武器をお持ちだったのですか?」
「いいえ……」
「龍というのは、子供の龍ですか?」
「いいえ」
「まさか青い龍ですか?」
「……はい」
「なんという――」
四郎は、倒れかけた次郎を支えようと手を差し出したが、払い除けられた。それを見ていた五郎は、2人の間に割って入った。
「大丈夫だ。一郎様がそんなに簡単にやられるわけがない。一度城に戻って冷静に話し合おう。な?」
五郎は、次郎を宥めながら転送紋を描き、全員城に戻った。
「四郎、とりあえず着替えてこい」
「五郎ちゃん、ありがとう」
最初のコメントを投稿しよう!