第2章 茶髪のイケメンと優しい巨漢

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2人は光の穴に落ちた。そして確認する間もなく光は水に変わった。 「た、助けろ、溺れる!」 「無理、俺かて精一杯や!」 2人とも全く泳げないわけではない。しかし着衣のままだし、手には重い武器を持っている。 「と、とりあえず武器放せ」 「いや、でも!」 大事な武器だが、命を落としては意味がない。2人はジレンマに苦しみもがいていたが、やがて急に浮き上がった。 「大丈夫か?」 2人の背中は、そう問いかける大男に掴み上げられていた。 「ここ、そんなに深くないぞ」 「そりゃあんた大男やから――あ、ホンマや。斧、下についた」 そう聞いて三郎も腕を伸ばしてみると、剣先に鈍い手ごたえがあった。 水が濁っていてわからなかったが、どうやらここは、水深1メートル半くらいのようだ。 「まあ、俺が運んでやる。じっとしてな」 大男はそう言うと2人を抱えて力強く進み、岸に辿り着いた。 「助かったわ。あんた、一郎さん?」 「いや、俺はこういう者だ」 そう言って男は大きく胸元を開いた。そこには赤く大きな十文字があった。
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