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「遅い」
「すみません」
「では順を追って報告を始めて下さい」
「はい……」
四郎は龍の世界の洞窟に転送されて緑色の雄の龍人達に捕まったが青い国を治める青龍の弟に助けられて彼の元で暮らしていたこと、そしてそこに一郎が迎えに来てくれたことを話した。
捕まった直後に集団暴行されたことや青龍の弟に妻のように扱われていたことは上手く避けて話を進めたつもりだったが、次郎は誤魔化されなかった。
「つまりその青龍の弟の趣味であなたは容姿を変えられたわけですね。しかし顔立ちや肌質まで変えられて気付かないとは、一体どんな方法なのでしょう。心当たりはないのですか?」
「さあ……」
「何か食べたり飲んだりしませんでした?」
「ああ……凄く美味しい赤いカクテル飲まされたけど……龍人達も一緒に飲んでて何も変わらんかったし……」
「飲み物だけですか?」
「はい……あっ」
四郎はセックスを意味する龍人語が食事と翻訳されたことを思い出した。
「何か思い出しました?」
「あの……俺を向こうへ連れて行った女の子から翻訳機を貰って、それで会話を聞いていたんですけど……その……」
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