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嬲り殺されると思った時の恐怖を思い出して四郎は涙ぐんだ。その顔があまりに可憐で、三郎は思わず素直に謝ってしまった。
「ごめん」
謝るだけでは足りず立ち上がって四郎に手を伸したが、先に立ち上がった五郎がしっかり抱きしめてしまった。すると次郎がバンと机を叩いて立ち上がった。
「いい加減にしなさい!」
次郎は五郎を引き離して四郎の腕を掴むと、三郎と五郎を睨んだ。
「あなた方は話の邪魔です。2人で話しましょう」
「えっ次郎――」
「いいから訓練でもしていなさい。これからは3人で戦わなければならないかもしれないのですから」
次郎はそう言い放つと四郎を自室へ引っ張って行った。部屋に連れて入り投げるように四郎を畳に座らせると、次郎はその正面に座った。
「続けましょう。その5人から助けてくれた龍人について説明して下さい」
「ですからその……俺が連れて行かれた青い龍の国で一番偉い青龍の弟です」
「それは聞きました。彼にはどんな力があるのですか?」
「青い龍人は、青い国の人口の一割に満たないと聞きました。青い龍の恵みがなければ青い国は成り立たず、その青い龍を扱えるのは彼等だけだそうです」
「つまり絶対的な権力者ということですね」
「はい」
「その青い龍人と、あなたはどういう関係だったのですか?」
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