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「赤十字?」
首を傾げる三郎の横で、四郎が叫んだ。
「ええー、あんたがナースの五郎ちゃん?!」
「不服か?」
「だって五郎は癒し係だって聞いてたからてっきり……」
4人の戦士と救護士1人、その中に女性はいないと聞いてはいた。しかし、武器を持たず戦士の傷を癒したり敵を撹乱する術を使って戦士を助ける救護士の五郎は、てっきり優男だと思っていた。もっと言えば、美少年を期待していた。
それが、身長2メートル近い巨漢とは。
「救護士はおまえ達戦士を守るのが仕事だ。戦士に守られるようなひ弱な癒し系じゃ足手まといになるだけだろ。俺ならいざとなったら戦士を抱えて逃げられる」
「なるほど……」
救護士の五郎について予備知識のなかった三郎はなんとなく納得したが、四郎は眉を顰めたままだった。
「そうか? 強いなら戦うべきやろ」
四郎が不機嫌そうに答えると、その頭の中を察した五郎は彼に耳打ちした。
「心配するな。俺はあっちの技も磨いてきた」
「はあ?」
四郎が怪訝そうな顔で見上げると、五郎は彼の編み込んでいない方の髪を掻き揚げて言った。
「おまえ、なかなかセクシーな場所に印つけられてるな」
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