第15章 再会

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「だからいるって言ったろ? あっちの山にピカピカした龍が飛んでったって言っても誰も信じてくれないんだもん」 四郎はその子に近付くと姿勢を低くして尋ねた。 「龍見たんか、凄いな。あっちの山てどれや?」 見知らぬ美しい人に男の子は驚いて固まったが、黙って指さした。村の北東の彼方だ。そこには黒く巨大な岩山があった。 「あの山に巣があるいうことか。ここから歩いてどれ位かかります?」 「巣に乗り込む気か? 戦える相手ではないのだろう?」 「ええ。でも行って調べてみる価値はあるでしょう」 「死の危険を冒してまでも?」 「はい。戦士ですから」 戦いの似合わない可愛らしい笑顔で四郎にそう言われた長老はしばし考え込んだが、頷いて答えた。 「ならば龍トカゲをお貸ししよう。あれに乗れば山を登るのも容易い」 「えっ、いいんですか?」 「ここに置いておいても守れない。あなた方に預けた方が安心だ。せめて3頭、守ってやって下さい」 「わかりました。ありがとうございます」 そうして龍トカゲを借りて乗り方を習って村を出ると、五郎は四郎に尋ねた。 「で、何か考えはあるのか四郎?」
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