第15章 再会

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「光ちゃんて……その子が例の幼馴染みか?」 「ああ」 「良かったなあ、無事会えて。せやけどそんならその龍は――光ちゃんの子か?」 光は三郎の背中越しに四郎と五郎を見て問い掛けた。 「三郎、あの方たちは?」 「大丈夫、仲間だよ」 「仲間って……何の?」 龍を目の前にして龍と戦う戦士だと話すのは躊躇われて、三郎は逆に尋ねた。 「後でゆっくり話すよ。それより光、こっちに来ても具合悪いのか? こっちでその……」 兄弟同然の光に龍人に抱かれてないのかとは聞き難くて、三郎は口ごもった。すると四郎が近付いて話し掛けた。 「はじめまして。俺は四郎、こっちは五郎や。光ちゃん、独りか? 龍人と一緒やったんちゃう?」 「父さんの所へ連れて行って貰うはずだったんですけど、気がついた時にはこの子と2人でした。この子は僕を守ってくれているみたいです」 四郎は光に金の龍を産んだのではないのかと尋ねようとしたが、止めた。光は確かに美少年だが完全な貴人には見えないし、話を聞いた限りではあの龍の父親である龍王に匹敵するような特殊な龍人に会ったとは思えなかったからだ。 「お父さんに言われて、この世界へ来たんだね?」 問い掛けてきた五郎に頷くと、光は三郎を見詰めながら答えた。
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