第15章 再会

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「五郎ちゃん、試しにこの龍も転送紋に入れてみようや。武器も敵と感じてないようやし、行けるかもしれんで」 「そうだな。試してみるか」 五郎が城への転送紋を描くと、三郎は龍を連れた光の手を取った。すると龍は、2人と共に転送紋に入ることが出来た。 「おう、行けた!」 「ああ、成功だな。俺は村に戻って龍トカゲを返して話をしてくる」 「え、五郎ちゃん独りで?」 五郎は不安そうな顔をした四郎を抱き寄せて口付けた。 「大丈夫だ。すぐ戻る。それより三郎だけじゃ心配だ」 確かに龍を入れてしまって大丈夫なのか心配だ。四郎は五郎から離れて転送紋に向かった。 「わかった、先帰る。気いつけてな」 龍と一緒に転送紋をくぐり抜けた三郎も、龍が城内で暴れたらどうしようかと心配したが、金の龍は丁度いい草地を見つけて寝てしまった。三郎は、いきなり立派な城の中に入って驚いている光を、とりあえず自分の部屋に通した。 「ずっとあの龍と一緒に岩山にいたの?」 「うん。あの子に父さんの所へ連れて行ってって頼んだんだけど……ダメみたいなんだ」 「光のお父さんは何処にいるのかわかってるの?」 「具体的な場所も地名も知らないよ。手紙には誰かが迎えに行くとしか書いてなかったんだ」 「そうか……」
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