第15章 再会

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役に立てないことを詫びるように潤んだ目で見上げる光から、三郎は目を逸らした。光を見つけ出して連れて帰るのが目的だったけれど、今はもう会えて良かったと単純に喜べない。そこへ四郎がやって来た。 「五郎は?」 「龍トカゲ返して話して来てくれるて。金の龍どうした?」 「庭で寝てる」 「へえ、そりゃ良かった。光ちゃん、あの龍と話出来るんか?」 「ああ……なんとなく気持ちは通じてると思いますけど……」 「そっか。会話は出来へんのか」 「そりゃそうだろ。相手龍だぞ」 「いやいや、出来るて。山行くまでの俺の話、覚えとるか?」 龍は龍人から生まれるという話。確かにそれが本当なら、人と会話出来てもおかしくはない。 「せやけど捨て子やったら龍人語もわからんかもな。まあええ、試しに話してみるわ」 「え、四郎、龍人語話せるの?」 「ああ。ペラペラやで」 四郎は龍の元へ向かった。三郎と光が半信半疑でついて行くと、四郎は聞いたことのない言葉を話し始めた。すると龍は頭を上げてじっと四郎を見た。 龍の方は言葉をしゃべっているようには見えなかったが、四郎の話は熱心に聞いていて、時折興奮したように鳴き声を上げたり頷いたり首を振るようなそぶりを見せた。 「なるほどなあ」 「え、話通じたの?」
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