第15章 再会

18/21
前へ
/962ページ
次へ
「大体やけどな。お父さんに、怖い人が来るから隠れろ言われて狭い所に閉じ込められたんやけど、待ってもお父さん帰らんし、お腹空いたしなんとか自力でそこから出たら、家も仲間も全部消えてたんやて。そんで食べ物と仲間を探しに出かけて光ちゃん見つけたらしい」 「ちょっと鳴いてるようにしか聞こえなかったけど、ほんとにこの龍がそんなこと話したの?」 すると四郎はまた龍に話し掛け、それを受けた龍は三郎に向かって首を伸してきた。 「えっ何?」 三郎はびっくりして飛び退いたが、龍はすぐに姿勢を戻し、四郎に向かって首を振った。 「イエス、ノーで答えられるような質問しとるのや。若干誘導尋問くさいけど、辻褄おうてるやろ? 口の構造上、人間みたいに言葉はしゃべれんけど理解力はあるんや。てか普通に人間の言葉で通じるんちゃう。なあ金ちゃん、お腹空いてへん? 大丈夫か?」 すると龍は悩むような仕草をした。 「ちょっとだけ空いたか。でもまだ我慢出来るな?」 龍は今度は頷いてみせた。 「うわっ、ほんとだ、話通じてる!」 「な、この子賢くてエエ子やわ」 そこへ五郎が帰って来た。 「へえ、話が出来るのか」 「五郎ちゃん、お帰り。どうやった?」 「ああ、龍は捕獲したからもう大丈夫だと話して来た。光くん、君は体調が悪いようだね。私は医者だ。こっちへ来なさい」
/962ページ

最初のコメントを投稿しよう!

227人が本棚に入れています
本棚に追加