第15章 再会

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五郎にそう言われると、光は素直に従った。三郎は心配で思わずついて行こうとしたが、四郎に捕まった。 「ほんなら俺等は三郎の部屋で休んどるわ」 「なんで四郎まで俺の部屋で休むんだよ」 「俺が隣の部屋におったら仕事しにくいやろ」 四郎は小声で答えた。治療という名目の肉体的接触。必要なことだとわかっていても三郎は益々光が心配になった。 しかし四郎が三郎と2人になろうとした理由はそれだけではなかった。三郎の部屋に入ると、四郎は言った。 「あの龍やけどな……光ちゃんの弟やで」 「ええっ!?」 「シー、声がデカイて。お母さんの匂いがして探してみたら光ちゃんやったんやて。せやからまあ、光ちゃんのお父さんが金ちゃんのお母さんってことで間違いないわ。人間の言葉理解出来るのが証拠や」 全く当たり前の話として、四郎はそう説明した。中性は、男と交わって龍を産み、女と交わって人を妊娠させる。頭では理解出来ても三郎にはまだ受け入れがたい。 「光ちゃんと金ちゃん、これからどないする?」 せっかく会えたのに離れたくはない。でも光を戦いに巻き込むのはもっと嫌だ。 「ここで留守番してて貰うしかないだろ」 「光ちゃんはそれでええとして……金ちゃん大丈夫やろか」 「四郎、あいついい子だって言ったじゃないか」 「そうやけど、龍は龍やからな」
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