第16章 雄の交わり

7/13
前へ
/962ページ
次へ
でも愛しい。黄龍は可愛い山吹の奥まで突き入れてやったモノを大きく動かし始めた。すると先端から少しずつ体液が流れ落ち始め、飢えた山吹の体は、それを貪欲に吸収していった。 「あっああ……美味しい、凄く美味しいよ、ああ、欲しい、もっと……もっと出して」 甘えた声で縋りながら、山吹は自ら激しく腰を動かし射精を促した。そして食欲旺盛な山吹が満たされて眠るまでたっぷり体液を注ぎ込んでやると、黄龍はまた元の部屋に戻ってきた。 妻を抱いている間に砂嵐は止んだようだ。黄龍は窓辺に立ち、カーテンを開いた。 黄色い空は澄んで輝いているが、その輝きは遠く西の果てでプッツリと途切れている。 空の裾の灰色。それがこの世の果てだ。 黄龍がその灰色をじっと眺めているとアラームが鳴り、振り返ると城への転送許可を求める信号が点灯していた。 青い光。青龍の国からの信号だ。黄龍がその光に触れると青白い顔が浮かび上がった。 「青二か。久しぶりだな。わざわざこちらに来たいとは、どんな用件だ?」 『余程特別な用件でない限り、私なんかの相手をする暇はないか』 黄龍と青二は将来国を治める若者達の教育施設に同じ時期に在籍していた。今は国の頂点に立つ黄龍の方が身分は上だが、友人であることに変わりはない。 「何をすねている。今開けるよ」 転送を許可してやると、青二が部屋に入ってきた。しかし項垂れたまま黙っている。 「青龍と喧嘩でもしたのか?」 黄龍は返事を待ったが、青二は首さえ動かさなかった。 「何故黙っている。俺に話があって来たんじゃないのか?」 そう尋ねて近付いた黄龍は、青二が話したくても話せないのだと気付いた。 青二は唇を噛みしめて泣いていた。 「どうした青二。一体何があった?」
/962ページ

最初のコメントを投稿しよう!

228人が本棚に入れています
本棚に追加