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「え、おい!」
しかし三郎は、すぐに五郎に捕まった。
「一人で何処へ行く気だ」
「龍はお前等が倒せばいいだろ。俺は、光を助けなきゃならないんだ!」
子猫のように首根っこを捕まれてジタバタと騒ぐ三郎に、五郎は尋ねた。
「光って、龍人が抱えて行った子か?」
「見たの?」
「ああ。緑色の龍に乗って飛び去って行った」
「どうして助けないんだよ!」
「俺は戦士じゃない。それにあの子も龍人かと思った」
「どう見ても人間だろ?」
「俺も実際に見たのはあの雄が初めてだが、龍人は雄以外は人間との判別が難しいと聞いている」
すると2人の会話に四郎が割って入った。
「雌と女はほとんど変わらんらしいな。ただブスはおらんて。光ちゃんって美人なんやな。そりゃ助けなあかんな」
「光は男だ!」
「へえ、ほな美少年か。でも緑の龍って、あの穴は通れんかった大人の龍やろ? あかんわ。独りで戦える相手やない。その子の目の前で殺されるだけや」
「え、さっき倒したのって子供なの?」
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