第3章 カリスマリーダー

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「やったな、三郎。頭だけやけど、串刺し成功や」 四郎は拍手して三郎に近付こうとしたが、一郎に引き止められた。 「まだ終わりではない」 そう言うと一郎は場内に入り、三郎に告げた。 「次は今日俺が倒した龍を呼ぶ。戦えるところまで、戦ってみろ」 一郎は自分の刀を振り下ろした。 先ほどとは比べ物にならない衝撃が地を走り、一瞬の後に現れたのは、真っ赤な龍だった。 灰色の龍の三倍はある巨大な龍だ。それでも勇気を出して三郎がその背に飛び乗ると、龍は長い首を捻って三郎に顔を近づけ、口を開いた。 「アチ!」 開いた口から吐き出されたのは、毒ではなく炎だった。幻の炎でも、触れれば熱い。全身に炎を浴びた三郎は龍の背中から転げ落ちた。 子供の龍のように背中から這い上がるのは無理だ。直接首に飛び乗るしかない。 しかし、龍はあざ笑うように天高く舞い、炎を吹きかけてくる。 「チクショー、全然届かない」 ジャンプしてどうにかなる距離ではない。炎から逃げるので精一杯だ。 「もうすぐ消えるぞ」 そう言いながら一郎が場内に入って来た。三郎は焦ったが、龍から目を離さなかった。すると龍の方が三郎から一郎へ視線を移した。その瞬間に三郎は素早く龍に駆け寄り、龍の喉に向かって剣を投げた。 剣は力強く飛んで行ったが、龍に弾き返された。 自分が投げた剣が、倍速で向かってくる。 致命的なミスだ。龍と違って、剣は残像ではない。
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