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「2回続けて斬られてよう簡単に言えるな」
「斬られなくなるまで訓練すればいいだろ」
「そんな悠長な……せやけど金ちゃん大きくなるまでいうたら何年もかかるんやろか」
四郎は一郎の顔を見たが、一郎にもわからないことだった。
「三郎、王の剣はおまえに預ける。使いこなせるように訓練――」
突然、戦士の剣が強く光り始めた。それに気づいた一郎は、自分の刀と四郎の斧を確認すると、どちらも同様に光っていた。
「龍だ」
戦士達が急いで城を出て辺りを見回すと、岩場の向こうに強い光が見えた。
「あの光?」
「あの色の光て銀の龍やないか?」
「銀の龍には武器は反応しない」
「じゃあ銀の龍じゃないね。だったら――」
「いや、あの光以外の場所に別の龍や龍人が潜んでいるかもしれない。気をつけて進め」
戦士達は警戒しながら光に向かって進んで行ったが、あと数十メートルという所で前に進めなくなった。
そこには巨大な光のドームがあった。中に龍がいるのだろうが、眩しすぎて何も見えないし、音も聞こえない。一郎は刀を振ってみたが、飛び出した光はドームの手前でかき消された。
「結界だな。恐らく中に龍人がいる」
「あそこ、封印の真下やないですか?」
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