第23章 光のドーム

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三郎は頬を染めて一瞬呆然としていたが、四郎にからかわれる前に急いで部屋を出て一郎を追いかけた。すると一郎は背を向けたまま黙って自室に入り、風呂場に直行した。 「あれだけ剣を振るえば、自覚がなくても疲れているはずだ。早く湯につかれ」 「う……うん」 先に湯に入った一郎に誘われた三郎は、一郎が視線を外した隙に急いで着物を脱いで湯に入った。無色透明だが、肌に吸い付くような濃い湯で、つかるだけでマッサージされているような心地よさを感じた。 「どうだ。癒されるだろう?」 湯船に凭れて大きく息を吐く一郎の唇から喉の辺りを見ていると、癒されるというより興奮してくる。しかし恥ずかしくてじっとしていると、一郎の方から手を伸してくれた。 「おいで」 素直に近付いて来た三郎を、一郎は膝の上に抱き上げた。 「三郎、随分大きくなったな」 「オヤジみたいなこと言わないでよ」 そう言われて、一郎は椿のことを思い出し、父親について三郎に話すべきか考えた。 「どうしたの?」 自分を見つめたままじっとしている一郎に、三郎は首を傾げた。 「いや、なんでもない」 話すとしても今ではない。今話したら三郎は益々眠れなくなってしまう。誤魔化すようにキスしようとすると、三郎は顔をそむけた。
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