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「うあっ、あ……そんなに……くっ!」
「今度はキツすぎるか。難しいな……」
一郎は五郎の表情を見ながら下半身に込める力を調整した。そして五郎の顔から苦痛の色も冷静さも消し去る強さと動きを探り当てると、それを維持しながら五郎に囁いた。
「これでいいだろ? なあ、早く俺の中に吐き出してくれ。五郎、おまえが欲しい」
「いっ……一郎……一郎!」
「うっ……あっ……あ、五郎……!」
五郎が夢中で動き出すと、一郎も余裕がなくなり、2人は朝まで舌を、腕を、そして下半身を絡ませて愛し合い続けた。
そして翌朝、独りベッドで目覚めた三郎は、一郎がいないことに気づいて慌てた。
「一郎?」
風呂場にも書斎にもいない。一郎の名を叫びながら、三郎は部屋から飛び出した。
「一郎! 一郎!」
「なんや騒々しい」
あくびをしながら廊下に顔を出した四郎に、三郎は訴えた。
「一郎がいないんだ。まさかまた独りで出かけたんじゃ――」
「そんなわけないやろ」
「じゃあ何処にいるの?」
「俺ならここだ」
一郎の声だ。三郎は喜んだが、五郎の部屋から出て来た一郎を見上げると絶句した。
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