第23章 光のドーム

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また体が大きくなっている。五郎に着物を借りたようだが、それでも長い手足が突き出てしまっていて、頭は天井につきそうだ。それに漆黒だった髪と目が少し赤みを帯びている。その姿に四郎も驚き問い掛けた。 「一郎さん、龍食べはったんですか?」 「ああ。五郎の部屋に凝縮された赤い龍の肉があった」 「ええっ! 俺も食べる!」 「すまない、三郎。一郎様と俺で全部食べてしまった」 そう言いながら部屋から出て来た五郎もまた大きくなっていた。 「ずるいよ、2人だけ大きくなって」 「大きくなったからといって、強くなったとは限らない。それを確かめる為にも、今から光のドームに向かう」 そして4人は再び昨日の場所へやってきた。 相変わらず光の中は見えず、音も聞こえない。攻撃しながら一周してみたが、手応えも同じだ。体が大きくなった一郎が繰り出す光の刃は昨日より大きいが、それも効いているようには見えない。 「これじゃ昨日と一緒だよ。どうするの、一郎?」 三郎は返事を求めて一郎の顔を見上げたが、一郎は目を閉じてじっとしていた。 「一郎?」 城ではわからなかったが、龍の肉が変えたのは一郎の見た目だけではなかった。 龍を感じる
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