第1章 火照る体

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先に山から下りた光は、三郎が追って来ていないことを確認して自宅の前を通過すると、すぐ裏手にある小さな家の戸を叩いた。戸はすぐに開かれ、中から30前後の男性が顔を出した。 「これは光おぼっちゃま。どうぞお入り下さい」 男は美濃家に仕える庭師だ。顔立ちはごく普通だが、肉体労働で鍛えられた体は細く締り肌は健康的な小麦色に輝いている。光はその体に崩れるように抱きついた。 「お願い、早く……」 光を抱えて中に入れた男は、素早く周囲を確認すると戸を閉めて囁いた。 「どうしたんですか。こんなに体を火照らせて」 「いいから早く……して」 恥ずかしそうに目を伏せながらも、光は男の体を撫でていた。男の方にはまだ余裕がある。男は、我慢出来ずに光の方から準備を始めるのを待った。それを察した光は恨めしそうに男を睨んだが、諦めて自ら服を脱ぎ裸になると、男の服にも手を掛けて下半身を露わにした。光はまだ使える状態ではないそれを両手で包み、荒い呼吸の為に既に開いていた口を更に大きく開いて顔を近づけた。そして小さな舌先がその先端に触れると、男は軽く息を吐いて光の頭を撫で始めた。 「今日は随分早いですね。封印の地には行かなかったのですか?」 質問をしておきながら男はぐっと光の頭を押さえ込み、小さな口を大きくなり始めた自身で塞いでしまった。そして返事を出来ずにただ眉を寄せて呻く光の顔をじっと見詰めながらまた質問した。 「そう言えば、今日三郎が山へ向かうのを見ましたよ。彼に見つかって逃げてきたんですか?」 三郎の名前を出されると、光は男のモノに絡めていた舌を止めてビクリと肩を震わせた。 「痛っ、歯を立てないで下さい。大事なものが使えなくなりますよ」
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