第4章 花咲く白い肌

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第4章 花咲く白い肌

3人は風呂場に向かった。辿り着くと、そこには先客がいるようだった。広い脱衣所の籠の中にきちんと畳まれた着物を見て四郎が言った。 「一郎さん入ってるなら、俺等出直した方がええんちゃう?」 しかし五郎は急いで服を脱ぎ始めた。 「いや、次郎だ。早くしないと先行くぞ」 「ええ? 裸で挨拶せなあかんやないか」 「いいから、早く脱げ」 四郎と三郎は五郎に急かされて服を脱ぐと、手ぬぐいで前を隠して浴場に入った。シャワーも蛇口もなく、壁の数箇所から細い滝のように湯が落ちている。 そして湯気で霞む奥の方に岩をくり貫いたような大きな湯船が見えた。 湯船には、こちらに背を向けた人の姿があった。豊かな黒髪を結い上げて細い項と肩を晒している白い体が見える。 「次郎、新入りだ」 振り向いた顔を見て、三郎と四郎は目を見開いた。 「え、女?」 細い弧を描く眉、長い睫が影を落とす切れ長の目、高くはないが細くスッと伸びた鼻、小さくふっくらとした唇。振袖が似合いそうな美人顔だ。 「四郎さんと三郎くんですね。はじめまして。真弓次郎(まゆみじろう)と申します」 高く澄んでいるが、男の声だった。呆然と見惚れていた四郎は、慌てて挨拶を返した。 「はじめまして、斧上四郎(おのえしろう)です。こんな所で挨拶してすみませんね」
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