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「いや、黄色の二番手という意味の黄二です。青二さんみたいに黄龍の弟ちゃいます?」
四郎が通訳していると、携帯端末を切った山吹が言った。
「先代の黄龍の弟だよ。変わった人だから、あなた達と気が合うんじゃないかな」
暫く待つと、空飛ぶ車がやって来た。中から出て来たのは、金髪碧眼の美青年だった。
「うわっ今度は王子様や」
弟というからには龍人の男なのだろうが、真っ白で柔らかそうな肌をしていて、少し体格のいい貴人に見える。柔らかい顔立ちは黄龍より山吹に似ていて並ぶとまるで兄弟のようだ。彼が山吹に向かって話し始めると、四郎は同時通訳を始めた。
「山吹ちゃん久しぶり。相変わらず超可愛いね」
満面の笑みで山吹の髪をくしゃくしゃにすると、彼は一郎達を見た。
「ところでこの人達、誰?」
「人間界って所から来たらしいよ」
「人間界!?」
「黄二、知ってるの?」
黄二は一郎に近付くと、顔をじろじろと眺めた。
「そう言われてみれば、君――え、この人達も連れて行くの?」
「そう。黄二んち、龍の肉いっぱいあるでしょ。食べさせてあげて」
「山吹ちゃん、簡単に言うけど、それどういうことかわかってる?」
「さあ。深く考えたくない」
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