第4章 花咲く白い肌

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「いいえ」 四郎に微笑みかけた後、次郎は三郎に目を向けた。三郎は、次郎と目が合うと視線を逸らして一言だけ挨拶した。 「――よろしく」 3人が落とし湯で体を洗い始めると、次郎は湯船から出た。 「お先に失礼します」 そう言って次郎が脱衣所に戻るまで、四郎はさりげなく彼を観賞した。そして脱衣所から彼が去る気配を確認してから五郎に尋ねた。 「なあ、次郎ちゃんて戦士の証どこについとるの?」 「さあ。俺も見た事がない」 「三郎は? さっき見えたか?」 見えるも何も、恥ずかしくてよく見なかった。軽く首を振った三郎は、母の言葉を思い出した。母は、父の腕には戦士の証はなかったと言った。けれど証は、母も気付かないような場所に刻まれていたのかもしれない。 父はやはり戦士だったのだろうか。武器を持たずに龍と戦い、死んだのだろうか。 「ねえ、印の場所とか大きさって戦士によって違うの?」 「そうや。俺とおまえも違うやろ。ええな、次郎ちゃん目立たんで」 戦士の証の話をしている2人に向かって、今度は五郎が尋ねた。 「次郎を見た感想はそれだけか?」
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