第24章 堕ちてきた天使

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「もちろんあえて変える事も出来る。経験を積めば君も出来るようになるよ。はい、口開けて」 黄二は話している間に用意していた黒い龍の肉を一郎の喉の奥に落とした。最初程ではなかったが、2回目も3回目も苦しかった。耐えて更に5回繰り返した後、黄二が言った。 「頑張ったね。今日はもう終わりにしよう。どうする? 一度部下の元に戻る?」 「いえ。戻っても何の指示も出せません。休む必要がなければ続けて下さい」 人間の食事と違って消化吸収が早く排泄物が溜まらないので、龍人は一度に大量の肉を食べることが出来る。そして成長期には食べた肉が瞬時に内蔵を強化することがある。黒い龍の肉は特にその傾向が強い。 「じゃあ続けるけど、最初に食べた時より苦しくなったら言ってね」 「はい」 そして一郎は黒い龍の肉を食べ続けた。すると用意された肉の半分を食べた所で黄二の手助けがなくても普通に食べられるようになった。呑み込むのではなく、しっかり噛んで味わってみると、黒い肉は美味かった。素手で掴んで黒い肉をガツガツ食べる一郎を見て、黄二は眉を顰めた。 「美味そうだね」 「はい。食べますか?」 「いや。黄色と白以外、ギリギリしか用意してないから」 正当な理由を述べつつ黄二が少し後ろに下がると、一郎の方から近付いた。 「あなたは黄色い肉と白い肉しか食べないということですか?」 「ああ。そうだ」 「それだけを一生食べ続けるのですか?」
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